今回の記事を担当します石黒です。大学で森林の勉強をしています。
今回はそのことに関連して、国産材・間伐材について書かせていただきます。
森林といえば、オーストラリアの森林火災が深刻な問題となっています。気候変動による猛暑により森林火災が収まらず、これまでに韓国の国土と同等の面積の森林が燃え、2000軒以上の家が焼失し、コアラを含む多くの野生動物が焼死しています。
この火災による地球環境全体への被害は想像もつかず、全世界で今後の対応に注目が集まっています。
うわ~そんな大変なことになっているなら、木を使うのはやめよう…‼
そう思った方はいますか?
実はそう簡単な話ではないんです。世界で森林減少が叫ばれている一方で、
日本は「木が余っている」状態なんです。
え!?そうなの?じゃあ木をたくさん使ったほうがいいの?
ちょっと正解で、ちょっと間違い。
実はいま日本で流通している木材の多くは輸入しているものなんです。
なぜこんな不思議なことが起こっているのでしょう。
戦後、家を建てる材料や燃料としてたくさんのスギ・ヒノキが植えられました。
いわゆる拡大造林というやつです。
しかし、十分な材木として育てるまでには40年近くかかる。戦後の急な需要に対応しきれていませんでした。
そこで、昭和39年に木材輸入の自由化を行ったのです。
そこから、安い外材に押され、だんだんと国産材の需要はなくなってきてしまいました。
昭和30年には90%以上であった木材自給率も、今では2割近くになっています。
国産材が売れないということは国内の林業が衰退するということ。
一度人の手が入った自然環境は人の手が入らなくなるとあっという間に荒れてしまうんです。
すると山が荒れて、森林の本来持っていた機能が十分に発揮できなくなります。
本来、山が持っている土壌を保持する力がなくなっているということ。
つまり土砂災害が起こりやすくなります。
それは大変。何とかしなきゃ。
しかし、売れない木材のために林業をする人がいるでしょうか…?
生きていくためにはお金が必要。林業はお金にならないからやめてしまおう。
そうしたら山が荒れて土壌を保持できなくなって土砂崩れが増えた。
幸せを追い求めて、競争して成長してきたはずなのに、安全に住む場所が脅かされている。
そんな矛盾が生じています。じゃあこれからどうすればいいの?
そんな問いに人類みんなで向き合わなくてはいけない時代なんだと思います。
さて、では何をすればいいんでしょうか。
林業が衰退した理由は国産材が売れないから。
安い輸入材に負けてしまうから。
では国産材に輸入材にはない付加価値をつけて売ろう!
そんな取り組みをしている企業があります。その印として用いられているのがこのマーク!
皆さん一人一人が木材製品を購入するときに、それがいったいどこからやってきているのかに意識を向けること。
国産材を購入することで国土を守ることにつながると知っていること、伝えること。
そんな一人一人の力で日本の森林を守っていきましょう!
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